フィッシングメールのURLを開いてしまったらどうする?
不審なメールやSMSのURLを開いてしまった場合、まず確認したいのは、その後にどのような操作をしたかという点です。
IPAは2025年8月28日に公開した注意喚起で、フィッシングサイトにアクセスした場合でも、情報の入力やアプリのインストールなどを行っていなければ、基本的に被害は発生しないと説明しています。
ただし、リンクを開いたことで不審なファイルがダウンロードされたり、セキュリティ上の問題が悪用されたりする可能性まで完全に否定できるわけではありません。
URLを開いただけで、情報は入力していない場合
リンク先のページを開いたものの、IDやパスワードなどを入力していない場合は、まずそのページを閉じましょう。
不審なアプリやファイルをインストールしていないかなども確認してください。
必要に応じて、OSやブラウザーを更新し、端末のセキュリティ機能で検査を行うことも検討できます。
URLを開いたという理由だけで、必ずパスワード変更や端末の初期化が必要になるわけではありません。
不審なファイルをダウンロードした場合
不審なファイルをダウンロードした場合は、不用意に開いたり実行したりしないようにしましょう。
すでに実行してしまった場合は、端末のセキュリティ機能による検査などを行い、状況を確認する必要があります。
業務用のパソコンなどで不審なファイルを開いてしまった場合は、会社のセキュリティ担当者に速やかに報告してください。
偽サイトに入力してしまった場合の対処法
フィッシングサイトに情報を入力してしまった場合は、入力した情報の種類によって必要な対応が異なります。
特にID・パスワード、クレジットカード情報、銀行口座の認証情報などは、早めに対応することが重要です。
1.ID・パスワードを入力してしまった場合
偽サイトにIDやパスワードを入力した場合は、正規のサービスにアクセスし、速やかにパスワードを変更しましょう。
同じパスワードを別のサービスでも使用している場合は、そちらも変更することが重要です。
また、ログイン履歴や登録メールアドレス、電話番号などが不正に変更されていないか確認しましょう。
サービスが対応している場合は、多要素認証やパスキーを利用することも検討してください。
ログインできなくなっている場合は、サービス提供元の正規のアカウント復旧手続きを利用しましょう。
2.クレジットカード情報を入力してしまった場合
クレジットカード番号や有効期限、セキュリティコードなどを偽サイトに入力した場合は、速やかにカード発行会社へ連絡しましょう。
カード会社に状況を説明し、利用停止やカード再発行の必要性について相談してください。
また、利用明細を確認し、身に覚えのない請求がないか調べることも重要です。
不正利用が疑われる場合は、カード会社の案内に従って対応しましょう。
なお、補償の有無や内容は、カード会社の規約や具体的な被害状況などによって異なります。
3.銀行口座のログイン情報を入力してしまった場合
インターネットバンキングのIDやパスワード、暗証番号などを入力してしまった場合は、速やかに利用している銀行へ連絡してください。
フィッシングによって盗まれた情報が悪用されると、不正ログインや不正送金につながる可能性があります。
銀行の案内に従い、必要に応じてログイン情報の変更や取引の停止などを行いましょう。
また、口座の入出金履歴を確認し、身に覚えのない取引がないか調べることが重要です。
4.SMSの認証コードを入力してしまった場合
SMSなどで届く認証コードは、本人確認やログイン、決済などに使用される重要な情報です。
偽サイトへ認証コードを入力した場合、第三者が不正な認証を試みている可能性があります。
どのサービスの認証コードを入力したのかを確認し、速やかにサービス提供元へ相談してください。
また、ログイン履歴や利用履歴などを確認し、不審な操作がないか調べましょう。
認証コードは一時的なものであっても、第三者へ伝えたり、身に覚えのないサイトへ入力したりしないことが大切です。
5.氏名・住所・電話番号を入力してしまった場合
氏名や住所、電話番号などを入力した場合、それらの情報を悪用した詐欺電話や不審なSMSなどが届く可能性があります。
今後届く連絡には十分注意し、突然の電話やメッセージで追加の個人情報を求められても、安易に伝えないようにしましょう。
ただし、氏名や住所などを入力したという事実だけで、必ず金銭的な被害が発生するわけではありません。
6.不正なアプリをインストールしてしまった場合
フィッシングの手口には、偽サイトへの誘導だけでなく、不正なアプリをインストールさせるものもあります。
特にAndroidスマートフォンでは、宅配業者などを装ったSMSから不正なアプリをインストールさせる事例が警察庁から案内されています。
不審なアプリをインストールしてしまった場合は、通信を遮断する必要性も含めて状況を確認し、不正なアプリの削除やセキュリティ検査などを行いましょう。
安全性が確認できない端末では、重要なパスワードの変更などを行わず、別の安全な端末を利用することも検討してください。
判断が難しい場合は、端末のメーカーや通信事業者、IPAなどの相談窓口へ問い合わせましょう。
フィッシング詐欺の被害が起きたら、何を記録する?
実際に不正利用や不正送金などの被害が発生した場合は、関係する記録を保存することが重要です。
例えば、次のような情報が役立ちます。
- 不審なメールやSMSの内容
- 受信した日時
- アクセスした偽サイトのURL
- 入力してしまった情報の種類
- 不審なログインや決済の履歴
- 銀行やカード会社との連絡内容
ただし、証拠を残すために不審なサイトへ再アクセスしたり、追加の操作を行ったりする必要はありません。
すでに確認できる情報を安全な方法で保存しましょう。
フィッシング詐欺の被害が疑われる場合の相談先
フィッシング詐欺の被害が疑われる場合は、入力した情報や被害状況に応じて、適切な窓口へ相談することができます。
銀行やクレジットカード会社
不正送金や不正決済が疑われる場合は、まず利用している銀行やカード会社へ速やかに連絡しましょう。
必要な手続きや補償の取り扱いなどについて、各社の案内を確認してください。
サービス提供元のサポート窓口
SNSや通販サイト、メールなどのログイン情報を入力してしまった場合は、そのサービスの公式サポート窓口へ相談しましょう。
アカウントの保護や復旧について、正規の手続きが案内される場合があります。
警察のサイバー事案相談窓口
警察庁では、サイバー事案に関する通報や相談を受け付けています。
フィッシング詐欺の被害に遭った場合は、最寄りの警察署や都道府県警察の相談窓口、オンライン受付窓口などを利用できます。
フィッシング対策協議会
フィッシング対策協議会では、フィッシングメールやフィッシングサイトに関する情報提供を受け付けています。
同協議会への報告は、類似するフィッシングへの注意喚起や対策などに活用されます。
なお、情報を入力してしまった場合のアカウント停止や不正利用への対処は、まず該当するサービス提供元や金融機関などへ相談することが重要です。
フィッシング詐欺への対処法を知っておくことは大切ですが、被害を避けるためには普段からの備えも欠かせません。次のページでは、メールやSMSによる詐欺を防ぐために、今すぐ見直したい設定や習慣を紹介します。
