サポート詐欺の電話をしてしまったら?状況別の対処法
偽セキュリティ警告の電話番号へ連絡してしまった場合でも、その後に何をしたかによって、必要な対応は異なります。
電話をかけただけなのか、遠隔操作を許可したのか、料金を支払ったのかを確認しましょう。
1.電話しただけで、何も操作していない場合
電話をかけたものの、遠隔操作ソフトのインストールや支払いなどを行っていない場合は、まず相手との連絡を終了しましょう。
IPAは、電話で話をしただけで、不審なソフトウェアをインストールしていない場合、パソコン自体への影響はないと考えられると説明しています。
ただし、電話番号を相手に知られている可能性があるため、その後の不審な電話などには注意しましょう。
国民生活センターは、相手から再度電話がかかってきても応じないよう案内しています。
2.遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合
電話の相手から指示され、遠隔操作ソフトをインストールした場合は注意が必要です。
遠隔操作ソフトを通じて、パソコンの画面を見られたり、ファイルや設定を操作されたりする可能性があります。
特に、パソコンが自分の操作と関係なく動いている場合は、遠隔操作が行われている可能性があります。
その場合は、ネットワーク接続を切るなどして、遠隔操作を遮断することが重要です。
遠隔操作されたパソコンはどうすればいい?
IPAは、遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合の対処として、ソフトのアンインストールやWindowsのシステムの復元などを案内しています。
ただし、遠隔操作ソフトの中には、通常のインストール手順を必要としないものもあります。
また、どのような操作が行われたかを完全に把握できない場合もあるため、ソフトを削除するだけで安全性が回復したとは限りません。
影響範囲を判断できない場合は、信頼できる専門家やパソコンメーカーなどへ相談しましょう。
必要に応じて、システムの復元や初期化などを検討することになります。
なお、業務用パソコンの場合は、原因調査や証拠保全が必要になる場合があるため、自己判断で初期化せず、会社のセキュリティ担当者へ連絡してください。
3.パスワードを伝えてしまった場合
電話の相手にパスワードを伝えたり、指示された画面に入力したりした場合は、不正ログインに悪用される可能性があります。
安全性が確認できている別の端末から、該当するサービスのパスワードを変更しましょう。
同じパスワードをほかのサービスでも使っている場合は、そちらも変更することが重要です。
また、ログイン履歴や登録情報などを確認し、身に覚えのない操作がないか確認してください。
4.クレジットカード情報を伝えてしまった場合
クレジットカード番号やセキュリティコードなどを伝えてしまった場合は、速やかにカード発行会社へ連絡しましょう。
カード会社に状況を説明し、利用停止や再発行の必要性について相談してください。
また、利用明細を確認し、不審な請求がないか調べることも重要です。
不正利用時の補償については、カード会社の規約や具体的な被害状況などによって取り扱いが異なります。
5.電子マネーやギフトカードで支払ってしまった場合
サポート詐欺では、ウイルス除去やサポート契約の費用として、プリペイド型電子マネーなどの購入を求められるケースがあります。
購入したカードに記載された番号などを相手へ伝えることで、金銭的な被害につながる場合があります。
すでに支払ってしまった場合は、カードの発行会社などへ速やかに連絡し、状況を説明しましょう。
また、消費者ホットライン「188」から消費生活センターへ相談する方法もあります。
ただし、支払った金銭が必ず返金されるとは限りません。
6.ネットバンキングを操作してしまった場合
サポート詐欺では、遠隔操作中にインターネットバンキングへログインするよう指示され、不正送金の被害につながるケースも確認されています。
ネットバンキングにログインしたり、送金を行ったりした場合は、速やかに銀行へ連絡しましょう。
取引履歴を確認し、身に覚えのない送金がないか調べることが重要です。
実際に不正送金が行われた場合は、取引銀行に加えて、必要に応じて振込先の銀行や警察にも連絡してください。
サポート詐欺はどのような被害につながる?
サポート詐欺による被害は、偽のサポート料金を支払ってしまうことだけではありません。
遠隔操作を許可した場合、パソコン内の情報を閲覧されたり、不正な設定変更を行われたりする可能性があります。
国民生活センターは2024年3月、偽警告をきっかけに遠隔操作を許可し、金銭的な被害に遭った相談事例などを公表しています。
また、2026年版のIPA「情報セキュリティ10大脅威」の個人向け資料でも、「サポート詐欺(偽警告)による金銭被害」が取り上げられています。
被害に遭う可能性はパソコンの操作に詳しいかどうかだけで決まるものではありません。
突然の警告で不安になり、急いで対応してしまうことが被害につながる場合があります。
サポート詐欺の被害を防ぐためにできる5つの対策
偽セキュリティ警告への対策では、日頃から仕組みを理解しておくことが重要です。
1.突然表示される警告をすぐに信用しない
インターネット閲覧中に突然ウイルス感染を知らせる画面が出た場合は、偽警告の可能性を考えましょう。
特に、電話番号が大きく表示され、すぐに連絡するよう求められる場合は注意が必要です。
ただし、正規のセキュリティソフトが実際の脅威を検出する場合もあるため、必要に応じて正規のソフトから状態を確認しましょう。
2.警告画面の電話番号へ連絡しない
偽警告の被害を防ぐうえで重要なのは、画面に表示された電話番号へ安易に連絡しないことです。
Microsoftは、正規のエラー画面や警告メッセージにサポート用の電話番号を記載しないと案内しています。
本当にサポートが必要な場合は、メーカーの正規サイトや購入時の案内などから連絡先を確認しましょう。
3.知らない相手に遠隔操作を許可しない
遠隔操作ソフトは、正規の業務やサポートでも利用される技術です。
しかし、相手が信頼できる担当者なのか確認できない場合は、遠隔操作を許可しないようにしましょう。
不審な相手から指示されてソフトをインストールすることも避けてください。
4.ブラウザーの通知許可を見直す
不審なWebサイトに通知を許可すると、偽のウイルス警告などが繰り返し表示される場合があります。
Google ChromeやMicrosoft Edgeなどの通知設定を確認し、不要なサイトへの通知許可を見直しましょう。
通知の許可を求められた場合も、必要性がわからないサイトには安易に許可しないことが重要です。
5.OSやブラウザーを適切に更新する
WindowsなどのOSやブラウザーには、セキュリティ上の問題を修正するための更新プログラムが提供されることがあります。
古いバージョンを使い続けると、既知の脆弱性が悪用される可能性があります。
自動更新などを活用し、利用しているソフトウェアを適切な状態に保ちましょう。
サポート詐欺で困ったときの相談先
自分だけで警告画面を閉じられない場合や、電話をかけてしまった場合、金銭的な被害が発生した場合などは、状況に応じて専門の相談窓口を利用しましょう。
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口
IPAでは、個人向けに情報セキュリティに関する相談窓口を設けています。
偽セキュリティ警告の閉じ方や、遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合の一般的な対応などについて、情報が提供されています。
IPAの公式サイトでは、偽警告画面を閉じる操作を練習できる体験サイトも公開されています。
消費者ホットライン「188」
サポート契約や料金の支払いなどでトラブルになった場合は、消費生活センターなどへ相談できます。
消費者ホットライン「188」は、最寄りの消費生活相談窓口へつながる全国共通の電話番号です。
警察のサイバー事案相談窓口
詐欺の被害や不正アクセスなど、犯罪被害が疑われる場合は、警察への相談も検討しましょう。
相談する際は、不審な電話番号、支払い履歴、購入したギフトカードの情報、相手とのやり取りなど、保存できる記録を用意しておくと状況の説明に役立ちます。
セキュリティ警告についてよくある疑問
Q.ウイルス警告が表示されたら、必ず感染している?
必ずしもウイルスに感染しているとは限りません。
Webブラウザー上に表示される典型的な偽セキュリティ警告は、実際の感染とは関係なく表示される場合があります。
ただし、正規のセキュリティソフトによる警告もあるため、必要に応じて公式の保護機能で確認しましょう。
Q.偽セキュリティ警告は電源を切れば消える?
一般的なブラウザー上の偽警告は、ブラウザーの終了やパソコンの再起動によって消える場合があります。
ただし、不審なプログラムが実行されている場合などは、再起動後も問題が続く可能性があります。
再起動しても消えない場合は、通常の偽警告とは異なる問題の可能性も考え、専門の相談窓口へ確認しましょう。
Q.警告音が鳴っただけで個人情報が盗まれる?
警告音が鳴ったという事実だけで、個人情報が盗まれたとは判断できません。
典型的な偽警告では、利用者を不安にさせるために音声が再生されることがあります。
ただし、遠隔操作を許可したり、重要な情報を入力したりした場合には、追加の確認が必要です。
Q.サポート詐欺に電話しただけなら大丈夫?
電話で話しただけで、遠隔操作ソフトをインストールせず、パスワードやカード情報なども伝えていない場合は、パソコン自体に影響がないと考えられます。
ただし、相手に電話番号が知られている可能性はあるため、不審な電話などには注意しましょう。
再度電話を求められても、安易に応じないことが大切です。
Q.警告画面にMicrosoftのロゴがあれば本物?
Microsoftのロゴが表示されているだけでは、正規の警告とは判断できません。
偽警告では、実在する企業のロゴや名称を使って信用させようとする場合があります。
Microsoftは、正規のエラーメッセージに電話番号を記載しないと説明しています。
警告の内容に不安がある場合は、Windows セキュリティなどの正規の機能から状態を確認しましょう。
Q.偽警告の画面を閉じても、また表示されるのはなぜ?
ブラウザーの通知機能で不審なサイトへの通知を許可している場合、ブラウザーを閉じても警告のような通知が繰り返し表示されることがあります。
この場合は、ブラウザーの通知設定から不審なサイトの許可を解除することで、表示を止められる場合があります。
それでも表示が続く場合は、不審なソフトウェアなど、別の原因がないか確認しましょう。
Q.警告を消すために有料ソフトを購入する必要はある?
典型的な偽セキュリティ警告が表示されただけであれば、その警告を消すために有料のセキュリティソフトを購入する必要はありません。
偽警告に記載された電話番号から、ソフトウェアの購入やサポート契約を勧められても、安易に応じないようにしましょう。
セキュリティソフトの導入が必要かどうかは、利用しているOSや既存の保護機能などを確認したうえで判断することが重要です。
セキュリティ警告が出たら、慌てず正しい方法で対処しよう
パソコンの画面に突然ウイルス警告が表示されたり、大きな警告音が鳴ったりしても、必ずしもウイルスに感染しているわけではありません。
特に、画面に電話番号が表示され、すぐにサポートへ連絡するよう求められる場合は、偽セキュリティ警告やサポート詐欺の可能性を考えることが重要です。
警告が表示された場合は、次のポイントを確認しましょう。
- 警告画面の電話番号へ安易に連絡しない
- 警告音が大きい場合は音量を下げる
- Escキーやブラウザーを閉じる操作を試す
- 繰り返し通知される場合は通知設定を確認する
- 知らない相手に遠隔操作を許可しない
- 料金やギフトカードでの支払い要求に応じない
- すでに情報を伝えた場合は、関係するサービスへ相談する
- 自分で対応できない場合は公的な相談窓口などを利用する
また、電話をしただけの場合と、遠隔操作を許可した場合では、必要な対応が異なります。
すでに遠隔操作された場合や、クレジットカード情報などを伝えた場合には、追加の対策が必要になることがあります。
大切なのは、「警告が表示されただけなのか」「電話をしたのか」「遠隔操作や支払いを行ったのか」を確認し、状況に応じた対応を取ることです。
突然の警告に慌てず、正規のセキュリティ機能や信頼できる相談窓口を利用して、適切に対処しましょう。
<参考サイト>
独立行政法人情報処理推進機構(IPA) / 独立行政法人国民生活センター / Microsoft サポート / Google Chrome ヘルプ
